気温が40度を超えた日は何と呼ぶ?酷暑日って定義あるの?
近年、日本各地で記録的な高温が観測され、気温が40度を超える日も珍しくなくなくなりそうな予感も。
2023年には福島県伊達市で40.8度、2022年には群馬県伊勢崎市で40.2度を記録するなど、40度超えの観測地点は年々増加していますしね。
さらに驚くべきことに、これまで涼しいイメージだった北海道でも39度台を記録するなど、日本全国がかつてない暑さに見舞われています。
暑さを表現する言葉に、真夏日とか猛暑日とかありますが、気温が40℃を超えた日は何というんでしょうね?
ネットなどをみていると「酷暑日」という言葉をみかけたりしますが、この「酷暑日」は正式な気象用語なのでしょうかね。
また、40度を超える暑さは私たちの体や社会にどのような深刻な影響をもたらすのでしょうか。
目次
気温が40度を超えた日の正式な呼び方とは
気象庁が定める正式な気温の分類
気象庁では、1日の最高気温によって、夏日は最高気温が25度以上30度未満の日、真夏日は30度以上35度未満の日、そして猛暑日は35度以上の日と定義されています。
ただし、気象庁の正式な分類では40度以上の日についての特別な呼称は設けられていないようです。
つまり、気温が40度を超えても、気象学的には「猛暑日」の範疇に含まれることになるんでしょうね。
これは、猛暑日が制定された当時、40度を超える日がそれほど頻繁ではなかったからなんでしょう。
しかし、近年の気候変動により40度超えの日が増加している現状を受けて、気象庁内部でも新たな分類の検討が議論されているという報告も。
実際に、40度と35度では人体への影響や社会への影響が大きく異なるため、より細分化された分類の必要性が専門家の間でも指摘されているようです。
「酷暑日」は正式な気象用語ではない
一般的に「酷暑日」という言葉が使われることがありますが、これは気象庁が定める正式な気象用語ではないようです。
メディアや一般の人々が、40度を超えるような極端な暑さを表現するために使用している俗称的な呼び方です。
確かゲリラ豪雨とかもメディアが考えた言葉だったような。
テレビの天気予報や新聞記事では「猛烈な暑さ」「危険な暑さ」「命に関わる暑さ」といった表現とともに、「酷暑日」という言葉が使われることが増えそうです。
40度を超える暑さの危険性を考慮すると、猛暑日とは区別して呼ぶ必要性ありそうですよね。
実際に、気象予報士や専門家の中には、40度以上の日を「酷暑日」や「極暑日」と呼んで注意を喚起する場合もあるとか。
このような状況を受けて、将来的には気象庁が正式に40度以上の日に対する新しい分類を設ける可能性も考えられます。
海外では40度超えをどう呼んでいるか
世界各国では、40度を超える気温に対してさまざまな呼称があるんですって。
アメリカでは「Extreme Heat」や「Excessive Heat」として国立気象局が警報を発令し、ヨーロッパでは「Heat Wave」の最高レベルとして扱われることが多く、各国とも40度超えの日には特別な警戒態勢を取っています。
オーストラリアでは40度超えは比較的頻繁に発生するため、「Very Hot Day」として分類され、50度を超える日には「Extreme Heat Day」という呼称が使われています。
中東諸国では40度を超えることが日常的なため、45度や50度を基準とした独自の分類システムを採用している国もあります。
これらの国際的な動向を見ると、日本でも40度以上の日に対する独自の呼称や分類システムの導入が今後検討される可能性が高いと考えられそうですね。
40度超えの暑さが人体に与える深刻な影響
熱中症リスクの急激な上昇
気温が40度を超えると、人間の体温調節機能が限界に近づきそうですよいね。
通常、人間の体は汗をかくことで体温を下げようとしますが、気温が体温に近づくと、この冷却システムが十分に機能しなくりそう。
人間の深部体温は約37度に保たれているため、外気温が40度を超えると体から熱を逃がすことが極めて困難になるのかもしれません。
さらに深刻なのは、湿度が高い環境です。
気温が40度で湿度が50%を超えると、汗の蒸発による冷却効果がほとんど期待できなくなります。
この状態では、短時間の屋外活動でも体温が急激に上昇し、熱中症のリスクが飛躍的に高まります。
40度を超える環境では、軽度の熱中症である熱疲労から、生命に関わる熱射病まで、あらゆるレベルの熱中症のリスクが格段に高まります。
特に高齢者や子ども、慢性疾患を持つ人は、短時間の外出でも重篤な症状を起こす可能性があります。
実際に、40度を超えた日の救急搬送者数は、35度程度の日と比較して2倍以上になるという統計データもあるようですよ。
脱水症状と電解質バランスの崩れ
40度超えの環境では、大量の汗をかくことで体内の水分と電解質が急速に失われます。
通常の気温では1時間に200~500mlの汗をかきますが、40度を超える環境では1時間に1リットル以上の汗をかくことも珍しくありません。
この大量の発汗により、血液濃度が上昇し、血液がドロドロの状態になることも。
この状態が続くと、心臓はより粘性の高い血液を全身に送り出すために過度な負担を強いられます。
さらに、ナトリウムやカリウム、マグネシウムなどの電解質バランスが崩れることで、筋肉のけいれんや意識障害を引き起こす危険性があります。
特に危険なのは、のどの渇きを感じにくくなる高齢者です。
加齢により体内の水分量が減少しているうえ、のどの渇きを感じる機能も低下しているため、知らず知らずのうちに重度の脱水状態に陥ってしまうケースが。
心血管系への深刻な負担
極度の暑さは心臓や血管系に大きな負担がかかりそう。
体温を下げるために皮膚の血管が拡張し、心臓はより多くの血液を送り出そうと激しく働きます。
通常時の心拍数が60~100回程度であるのに対し、40度を超える環境では120回以上に達することも珍しくありません。
この状態が続くと、心拍数が異常に上昇し、血圧の変動も激しくなりますよね。
血管の拡張により血圧が低下する一方で、心臓は懸命に血液を送り出そうとするため、心臓への負担は計り知れません。既に心疾患を患っている人にとっては、生命に関わる危険な状況となる可能性があります。
さらに、40度を超える環境では血液の粘度が上昇するため、血栓ができやすくなるらしいです。
これにより脳梗塞や心筋梗塞のリスクが通常時の3~4倍に増加するという研究結果も報告されています。
40度超えの日に起こる社会的影響と対策
インフラへの深刻な影響
気温が40度を超えると、さまざまなインフラに深刻な影響が現れます。
道路のアスファルトが軟化して変形したり、鉄道のレールが熱膨張で歪んだりすることがあります。
また、電力需要が急激に増加することで停電のリスクも高まります。
実際に、40度を超えた日には、エアコンの使用が集中することで電力消費量が過去最高を記録することが多く、電力会社は節電の呼びかけを行うことが一般的です。
さらに、送電線や変電設備も高温の影響で性能が低下し、電力供給に支障をきたす場合があります。
農業や畜産業への打撃
40度超えの暑さは、農作物や家畜にも深刻な影響を与えます。
野菜や果物は高温ストレスにより品質が低下し、収穫量も大幅に減少します。
特に葉物野菜は、40度を超える環境では正常な成長が困難になり、市場価格の高騰につながることも少なくありません。
畜産業においても、乳牛の乳量減少や鶏の産卵率低下など、生産性に直接的な影響が現れます。家畜も熱中症になる可能性があり、適切な暑さ対策が生産者にとって重要な課題となっています。
効果的な暑さ対策と予防法
40度を超える日には、通常の暑さ対策以上に徹底した予防策が必要です。
外出時には日傘や帽子の着用はもちろん、冷却タオルや携帯用扇風機などのグッズを活用することが重要です。
近年では、首元を冷やす専用のネッククーラーや、水に濡らすだけで冷却効果が得られるタオルなど、様々な暑さ対策グッズが開発されています。
水分補給については、単なる水分だけでなく、塩分やミネラルの補給も欠かせません。
スポーツドリンクや経口補水液を30分おきに150~200ml程度摂取することが推奨されています。
ただし、糖分の過剰摂取を避けるため、水で薄めて飲むか、塩分タブレットと水を組み合わせる方法も効果的です。
室内では、エアコンの適切な使用が欠かせません。
設定温度を過度に下げる必要はありませんが、28度程度を目安にして、扇風機やサーキュレーターと併用することで効率的に室内を冷却できます。
また、遮光カーテンや断熱シートを使用して、室内への熱の侵入を防ぐことも効果的です。窓に遮熱フィルムを貼ったり、すだれやよしずを設置したりすることで、室温の上昇を2~3度抑制することが可能のようです。
近年の気候変動により、40度を超える日が今後も増加する可能性が高いとされています。
気象庁の予測では、2050年頃には現在の猛暑日が年間50日以上、40度を超える日も年間10日程度発生する可能性があると発表されているようです。
この予測が現実となれば、現在以上に徹底した暑さ対策が社会全体で必要になることは間違いありません。
40度を超える暑さは、もはや一時的な異常気象ではなく、私たちが向き合わなければならない新しい現実です。
「酷暑日」という呼び方が正式に採用されるかどうかに関わらず、この極端な暑さが持つ危険性を正しく理解し、適切に対処していくことが、これからの夏を安全に過ごすための鍵となるんでしょう。